うつ病の「分かりやすい症状」を見逃さない!
一口にうつ病とは言っても、人によって目立つ症状が異なります。
もちろん、現れる症状は似ているのですが、人によって顕著に顕れる症状が異なる場合があるのです。
そう言われると、うつ病を発見するのは難しいのではないかと思われるかもしれませんが、どういった症状が分かりやすいのかを把握しておけば、誰でもある程度予測することができます。
人によって、症状の異なるうつ病の症状
例えば風邪をひいたとしても、人によって顕れる症状が違うのと同じだと考えていいかもしれません。頭痛が顕著であったり、咳、鼻水、のどの痛み——など、出てくる症状には個人差があります。うつ病もそれと同じなのです。
うつ病の症状として分かりやすい症状を、まとめて書き出してみました。
気分の症状
- 無気力な状態が長く続く
- 情緒不安定な状態が長く続く(感情がコントロールできない)
- これまで興味のあったことが、急に関心がなくなる
- 明らかに、集中力が欠如している
- 常に何らかの不安を感じるようになる
- 極端に自信が喪失され、自己否定や自己卑下を繰り返す
- 将来への悲観が強くなる
身体的な症状
- 食欲の減退
- 性欲の減退
- 不眠や睡眠不足の症状が長く続くようになる
- 朝起きることができない
- 時間を問わず眠い
- 目に覇気がない、うつろである
行動の症状
- 自傷行為をしてしまう
- 外出したくない、もしくは外出に抵抗を感じ
- 1人でぼーっとすることが増えた
- 人と会いたくないと感じるようになる
- 常に周囲の目を気にするようになる
また、自分の好きなことをしているときはイキイキとしているが、会社や学校に行くとなると、一気に抑うつ気分を生じるという症状も、現代のうつ病の特徴として、増えているようです。
一気に列挙してみましたが、これらがうつ病を疑われる、分かりやすい症状となります。
うつ病の中には、新型うつ病と呼ばれるものもあります。
新型うつ病の症状とは
このうつ病は先述した中にも書きましたが、「好きなことをしているときはイキイキしているが、会社などに行こうとすると、一気に抑うつ症状が現れる」という特徴があります。
近年になって認知度が高まってきた症状ですが、こうした症状に悩んでいる人は、相当数に上るはずです。
一昔前であれば、「やる気がない」「たるんでいる」と受け止められてきたものでもあり、「新型」と名付ける事に抵抗感を示す方もいるようです。
欧米と比べると、日本の精神疾患に対する医療は、まだまだ後進的であるというのもまた事実であり、精神疾患に対する一般的な認知度もまだまだ低いと言わざるを得ません。
さらに、新型うつ病に似た症状の中には、ADHDが関わっていることもあります。
ADHDは、注意欠陥多動性障害と呼ばれ、子供にしか発症しない精神障害であると言われています。
しかし、欧米では大人のADHDというものも認知されており、従来のうつ病や新型うつ病に似た症状(朝起きられない・仕事が長続きしないなど)が特徴です。
残念ながら日本国内では、大人のADHDに対する認識が非常に低く、専門医も少ないという現状があります。
ここに挙げた症状に、どれかひとつでも当てはまり、その事が原因で普段の仕事や通学、生活に支障をきたしているのなら、うつ病に関わらず、何らかの精神疾患を疑ってみる必要があると考えています。