日光を浴びてセロトニンを増やす – 朝日の効果
太陽の光で、セロトニンを増やす
「朝起きたら、カーテンを開けてしっかり日光を浴びなさい。」
昔から、こんな風に言われていますが、セロトニンを増やす上でも、とても大切な事です。
朝一番に日光を適度に浴びることは、精神衛生上とても良い事であるという、確かな根拠があるのです。
その理由は、脳の中で、神経伝達物質「セロトニン」が作り出される事にあります。
セロトニンとは、朝から活発な気分や、やる気に満ち溢れた気分を作り出す為に、重要な役割を果たすものです。
「幸せホルモン」とも呼ばれている、このセロトニン。
うつ病やパニック障害、気分障害など、様々な心の病いの改善に必要な脳内物質です。
単純でも効果的な方法
日光を浴びること以外にも、セロトニンを増やす為には様々な方法が推奨されています。
継続的な運動や、ヨガの呼吸法。食生活の改善などもその一つです。
これらに比べると、朝から日光を浴びるという方法は、比較的ハードルの低い方法と言えます。
しかし、セロトニン神経を活性化させる為には、とても有効な方法です。
目の中にある網膜へ日光が入ると、その情報は直接にセロトニン神経を興奮させるのです。
セロトニンは、やる気を引き出し脳の活動を活発にすると書きましたが、朝の日光を網膜から取り込む事で、この作用を強めることができるのです。
日光を浴びる時間と、強さ
昼間ではなく、朝の時間帯に日光を浴びるのには理由があります。
人間の体内時計は、何もしなければ徐々にずれていくのです。
朝一番に日光を目にすることで、体内時計を確実にリセットすることができます。また、睡眠中の自律神経は、副交感神経と呼ばれるスイッチに切り替わっています。朝から活動的になるためには、自律神経を、交感神経に切り替えなければなりません。
朝一番に日光を浴びる事は、セロトニン神経を活性化させ、自律神経のスイッチを切り替える役割りを果たすのです。
朝日を浴びる時間ですが、通常は20〜30分も浴びれば充分です。
あまり長い時間強い日光を浴びると、網膜も神経も疲れてしまいます。
光の強さの値は、ルクスという単位で図られます。通常、電灯は250ルクス程度ですが、日光は2,500〜25,000ルクスもあるとされています。
セロトニン神経が作り出されるには、2,500ルクス程度は必要と言われているので、通常の電灯では、光の強さが足りない事が分かります。
人工的に日光を浴びる方法
日光とセロトニン神経の活用して、高い照度の人口の光を、うつ病や睡眠障害の治療に応用することがあります。それが、高照度光療法と呼ばれる方法です。
先ほど、通常の電灯では光の強さが全く足りないと書きましたが、うつ病や睡眠障害の治療には、照度の強い、特殊な電灯を使用します。日照時間が短い冬場は、冬季うつ病という症状もあるくらい、うつ症状の発症に悩む方がいます。
日の当たる部屋に住んでいない。市街地のためカーテンを開けることができない。
というような方で、うつ症状や睡眠障害の傾向がある方は、1度試してみると良いと思います。高照度光療法は、日光を浴びることと同様に、人によっては短期間での改善効果を得ることができる治療法と言われています。