ネガティブを克服する「薬」は使ってはいけない
ネガティブな思考は、それ自体がその人自身を苦しめる思考です。
もちろん、ネガティブな人の周りにいる人達も、陰鬱な気分に影響され、良い気分はしないでしょう。しかし、それでも本人の苦しみには、およそ及ばないものです。
- 何故、自分はこんな性格に生まれてしまったのか。
- 本当はもっと色んな人と、楽しく過ごしたいのに。
- ポジティブな考え方の人が羨ましい。
- どうすれば変わる事ができるのか、考えるだけでも憂鬱になる。
こんなふうに考え、結局は「どうせ、私なんて変われないのだろう..」そんな悪循環の堂々巡りに悩まされてしまいます。
「ネガティブ」を薬で治すのは危険
ネガティブな気分を克服するために、「薬」に頼ろうとする事はとても危険な考えです。憂鬱な気分を解消させる為には、精神安定剤や抗うつ剤などが、一定の効果を示すと考えられています。最近では、心の病で病院に通うことは、一般的になっています。
「メンタルクリニック」と呼ばれる、精神科や心療内科を受診すれば、簡単に精神安定剤が処方されます。しかし、こうした薬には、想像以上の依存や副作用のリスクがある事も事実なのです。
もちろん、心の病を取り扱う病院や薬が、悪いというわけではありません。
しかし、こうした薬に安易に頼ってしまうことは、私は反対です。少なくとも、自身で改善できないだろうか?と考え、自分で治すための努力をしてみる必要はあるのではないでしょうか。
治そうと思わない限り、治らない
薬に頼ることの危険性のひとつに、「根本治療を自ら放棄する」という姿勢があります。
ネガティブや憂うつな感情は、確かに辛い感情です。しかし、そこから完全に目をそらしてしまうのは如何なものかと思います。
薬は確かに、一時的に神経に作用し、憂鬱な気分を取り去ってくれます。
しかし、これはあくまでも一時的なものです。精神安定剤や抗うつ剤は、使えば使うほど、「依存症」と「離脱症状」のリスクを高めていきます。
ネガティブな感情が起きるたびに薬を使用していては、いつまで経っても根本治療から遠のいていきます。果たして、これは本当に良いことなのでしょうか。
私自身、軽度のうつ病と診断され、処方された薬に何も疑問を抱かず、そのまま使用していた時期があります。しかし、今考えてみると、これは間違っていると思うのです。
根本的に治そうと自分で決意し、振り切っていかない限り、ネガティブな考え方は克服できないのです。
自分で治す為の、薬を使わない方法
それでは、どうすれば薬に頼らずにネガティブな思考から克服できるようになるのでしょうか。その為のヒントを、以下に書き出してみます。
- 健康的で、規則正しい生活を心掛ける。
- 自分が悪い、とは考えない。
- 今目の前にある事だけに集中する。
あまりにもシンプルな方法で、がっかりされた方もいるでしょうか。
簡単すぎて、効果があるかどうか疑問だと感じる方もいるでしょう。この3つの事ネガティブがどう関係するのか、簡単に説明していきます。
健康的な生活が大切な理由
まず、多くの人が「健康的な生活」に疑問を抱いたのではないでしょうか。
つまり、身体的な健康とネガティブ(心の問題)が、どう関係があるのかという問題です。この事は自信を持ってはっきりと言えますが、心の健康と身体の健康は、深く関係しています。
心が不調なら、身体が重く感じたり、怠く感じたり、お腹の不調を感じたり、とにかく様々な不調を感じます。きっと誰にでも経験があると思います。
同様に、身体を健康に保っていないと、心を健康に保つ事が難しくなるのです。「病は気から」などと言うつもりはありませんが、これは事実なのです。
この事を裏付ける理由の一つとして、脳の神経系の問題が挙げられます。
うつ病の原因として考えられている、セロトニン神経の不調は、身体を健康に保たなければ実現できません。セロトニン神経は、脳の中で神経伝達物質である「セロトニン」を分泌させます。
この脳内物質(セロトニン)は、憂うつやネガティブな思考を作り出す、「ノルアドレナリン神経」と呼ばれる神経の過剰な働きを抑制させます。
では、どうすれば憂うつやネガティブをやっつけてくれる「セロトニン」を作り出す事ができるのか。その答えこそが、健康的な生活なのです。
毎日の運動や、早起きをして太陽の光を浴びるという行為は、セロトニン神経を活性化させ、神経伝達物質「セロトニン」の分泌を促してくれます。健康的な生活は、結果論としてセロトニンの分泌を促し、神経を作り変える事でネガティブな思考を根本的に改善してくれるのです。
自分のせいにしない。目の前の事に集中する
健康的な生活が習慣となれば、あとは基本的な考え方を変えていけば、ネガティブな性格は克服できます。しかし、もちろん考え方を変えるのには時間がかかります。
長い時間をかけて「今の考え方」が作られた訳ですから、それを変えるのには相応の時間がかかるのは当然の事です。
しかし、色々と難しく考える必要は全くありません。ネガティブな考え方を改めるには、何度も繰り返し、以下のような考え方の習慣を身につけるだけで良いのです。
悪いことが起きても、人に悪く言われても、何があっても「自分が悪い」と落ち込まないことです。
嫌なことを言われない人なんて、世の中にはいません。何があっても、いちいち自分のせいにしなければ、嫌な経験は自分を強くする貴重な経験になるという事を知っていれば、きっと、もっと強くなれるはずです。
その為には、仕事でも趣味でも、目の前にある事に「一生懸命取り組む」という姿勢が重要です。そうすれば、いちいち失敗を悔やんでなんていられないはずです。真剣に何かに取り組む事で、初めて得られる事も沢山あるはずです。
周りの誰に、何を言われても、気にする必要なんてありません。
信じられないかもしれませんが、ネガティブは、このようにして克服できます。