「効うつ剤」の効き目は怪しい? – SSRIは効果があるのか?
日本でも「効うつ剤 - SSRI」の効き目が疑問視されている
現在、日本国内では、以下の3種類のSSRIが効うつ剤として、治療に使われています。
SSRIとは、脳の神経を司ると言われる、セロトニン神経に作用する薬です。
- ルボックス(フルボキサミン)
- デプロメール(フルボキサミン)
- パキシル(パロキセチン)
- ジェイゾロフト(セルトラリン)
SSRIなどの抗うつ剤が登場した事により、うつ病の治療は劇的に変わったと言われています。
まず、SSRIを売るための、製薬会社の熱心な宣伝活動によって、うつ病自体が世間に広く知れ渡るようになりました。
うつ病や、抗うつ剤への関心も高まり、病院へも行きやすくなったはずです。
一昔前なら、精神科や心療内科へ行く事に、抵抗感のあった方がほとんどだったでしょう。
今では「うつ病は、こころの風邪」とまで言われています。手軽に効うつ剤や、SSRIを処方してもらえば簡単に治るのでは?
テレビのCMなどを見て、そう思った方も多いのではないのでしょうか。
SSRIの本当の効き目
実際に、SSRIなどの効うつ剤は、うつ病に一定の効果を得られる事ができるという、有用な結果が多く出ています。
SSRIの良い点は、これまで副作用の多かった効うつ剤と比べ、副作用が少なくなった点にあります。
だからと言って、SSRIを飲めば、副作用がなく、ほぼ確実にうつ病が治るのかというと、そうではないのが現実です。
では、SSRIを飲んで、うつ病に何らかの改善が見られたという方は、実際にどのくらいの割合で存在するのでしょうか。
実際に行われた比較試験では、うつ病患者さんの5〜6割程度が何らかの効果があったと認めています。
抗うつ剤の中には、実際に効果のない薬を、効果があると偽る事もあります。
これは、プラセボ効果と言って、実査に医療の現場ではよく行われる治療方法です。人の思い込み効果は、病を改善させるほどの効果もあるのです。
上記の5〜6割の中には、プラセボ効果のような、思い込み効果は除外しています。
また、注目すべき点として、この5〜6割という数字は、完治ではなく何らかの効果が現れた患者さんが多く含まれています。
この数字を多いと考えるか、少ないと考えるかは人それぞれだと思います。。
抗うつ剤の、治療の難しさ
いずれにしても、抗うつ剤の効き目がどれほど曖昧な物なのか、という事が分かって貰えたのではないでしょうか。
発売当初は「新しい効うつ剤は、うつ病にすごく効果がある!」と、もてはやされた感のあるSSRI。
しかし、今になってその熱が冷めると、副作用や依存性の問題が明らかにされています。
また、軽いうつ病には効き目があっても、強いうつ病には効果がないのでは無いかという事実も少しづつ明らかにされています。
うつ病を薬で治療することは、非常に難しいという事が分かります。