不安を打ち消す方法は存在する?
不安とは、私たち自身が、自ら脳の中で自ら作り出している感情です。
心について、科学的に理解する事に慣れていない方からすると、多少違和感を感じる話かもしれません。
しかし、私たちの感情を司っているのは、脳の中にある様々な神経や、膨大な記憶などです。
不安やストレス、恐怖感といった感情は、脳が特定の刺激に対して行う反応です。
この事を理解していれば、自然と不安な感情を打ち消すことだって可能です。
不安は危機を感じている証拠
もし、日頃から必要以上に不安や緊張感、ストレスを感じ続けているというのであれば、それは、脳が何らかの理由で危機感を感じ続けているという事になります。
生物の脳は、自身が危機にさらされていると感じている時、不安や緊張を高めることによって、自己を防衛しようとします。
これは、万が一何かしらの攻撃を受けた際に、俊敏に動けるよう、脳と体を準備しているという事です。
始めて会う人と顔を合わせた際に、緊張して体が強張るのは、相手が自分にとって脅威となるのではないか?という恐れを感じているのです。
地震や事故などに立ち会った時に、心臓がドキドキして体が強張るのも、根本的には同じ理由です。
こうした感情は、万が一の危機回避の為にはとても役に立つものです。
しかし、過剰な反応が出てしまうと、社会生活を円滑に営む為には厄介なとなる場合がほとんどです。
- 「もしかして、私の事を笑っているのではないだろうか..」
- 「きっと、失敗するに違いない..」
- 「今の言葉は、嫌味を含んでいるのではないか..」
- 「嫌われるのではないだろうか。そうに違いない..」
必要以上に人を恐れてしまったり、会話を避けてしまうのは、危機回避や自己防衛の本能が過剰に働いている証拠です。
こうした感情は、度を越すと、うつ病やパニック障害といった、精神的な病へと発展する可能性もあります。
不安を作り出す神経
過剰に働いてしまう危機感というのは、実は脳の中にある、ある神経の働きかけによるものです。
その神経とは、ノルアドレナリン神経と呼ばれる神経です。
アドレナリンという名前は聞いたことがあるかもしれませんが、ノルアドレナリンは聞きなれないかもしれません。
この、ノルアドレナリン神経は、脳の中で「危機感」や「防御」のための感情。つまり「不安」や「恐怖」を促す神経細胞です。
ノルアドレナリン神経の過剰な反応は、実は脳の中にある、ある物質が不足する事が原因となって引き起こされる場合もあります。それが、神経伝達物質であるセロトニンです。
セロトニンは、ノルアドレナリン神経の過剰な高ぶりを抑制する機能がある事が知られています。
しかし、セロトニンを作り出すための「セロトニン神経」は、普段から規則正しい生活のリズムや、運動の習慣を心がけていなければ、正常に機能しなくなってしまうと考えられています。
最近では、夜型の生活や、食生活のバランスの崩れなどにより、セロトニンが不足している人が多いということが懸念されています。
生活の乱れに心当たりがあって、日頃から不安や恐怖感を過剰に感じるという方は、注意が必要です。