ドーパミンが過剰に出ると、ストレスになる?
以前の記事にも書いたように、脳の快楽や興奮状態を作り出す「ドーパミン」が過剰に放出されると、依存症や様々な精神の病を引き起こす可能性があります。
ドーパミンの過剰放出がストレスに?!
ドーパミンの分泌によって起こる、1番分かりやすい変化は、快感や興奮といった「快」の感情です。例えば、以下のような感情の変化は、ドーパミンによる「快」の感情が引き起こすものです。
- 買い物をした時など、何かを手に入れた時の快感。
- 競争で勝ち上がっていく時に感じる興奮。
- 勝負事で勝利を得た時の快感。
- 出世や昇給などの喜び。
これら以外にも、ドーパミン神経に快楽の感情を与える薬物(麻薬を含む)も存在します。
こうした脳の興奮や快楽の感情が、心に直接悪い影響を与えるとは考えにくいかもしれません。しかし、一度「快」の感情を味わってしまうと「また快楽を味わいたい」という気持ちにさせるのが、ドーパミン神経の特徴です。しかも、前回の興奮や快楽では満足できずに「もっと強い興奮を得たい」という欲望も加わります。
ドーパミンによるストレス
特に分かりやすい例が、ギャンブルへの依存です。前回よりも、もっと勝って強い快楽を得たいと思ってしまいますが、そうはいかないのが現実です。
勝ちたいと思っても勝てない。この事が、欲求をどんどん強くさせていきます。しかし、ギャンブルで勝つのはそう容易いことではないので、負けるたびに強いストレスを感じてしまいます。そして、ストレスを解消させるために、更に無理にでもお金をつぎ込んで勝とうとしてしまうのです。同じようなことは、ギャンブルだけではなく、様々な場面で訪れます。
- 出世したいのにできないストレス。
- 買い物で憂さ晴らししたいけれどお金がない。
- 手に入れたい物があっても手に入らない。
現代では、しっかりと心が自制ができなければ、生きていくことに強いストレスを生じさせる社会とも言えるでしょう。
ドーパミンを抑制させ、ストレスを抑えるには
近年注目されている、セロトニンと呼ばれる脳内の神経伝達物質があります。神経伝達物質とは、脳の中で無数に存在する神経と神経を繋ぐ、情報伝達を促す脳内物質です。
セロトニンは、ドーパミン神経にも働きかけを行います。ドーパミン神経が過剰に働き、ドーパミンを過剰に放出しようとすると、それを適度に抑制してくれるのです。これが、セロトニン神経が「幸福物質」と呼ばれる由縁とも言えます。
セロトニン神経を鍛えるには
セロトニン神経を鍛え、神経伝達物質を増やす為には、様々な方法が考えられています。しかし、最も基本的な事は、規則正しい生活を行う事、朝からしっかりと太陽の光を浴びるなど、普段の生活でもできる事が効果を得られる方法です。
また、最近ではセロトニンを増やすためのサプリメントも販売されています。医薬品のような副作用を心配する必要も無く、食生活がアンバランスな方には特におすすめです。